【Step1】IDCの基礎知識

データセンターインフラ管理(DCIM)とは?機能や活用メリットをご紹介

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近年、企業によるICTやクラウドの利用が増加し、データセンターの大規模化・複雑化が進んでいます。それに伴い、管理が煩雑になったり、運用コストが増大したりといった悩みを抱える担当者が増えてきています。

上記の問題を解決できると期待されているのが「データセンターインフラ管理(DCIM)」です。この記事では、データセンターインフラ管理(DCIM)とは何かについて詳しく解説いたします。

データセンターインフラ管理(DCIM)とは?

データセンターインフラ管理(DCIM)とは、「Data Center Infrastructure Management」の略で、データセンター内の設備や機器を統合的に管理できるシステムのことです。ここでいう「インフラ」とは、電源や配線、空調設備、蓄電池など、データセンターの稼働に欠かせない基盤のことを指します。

従来は、エクセルをはじめとした表計算ソフトを用いてデータセンターの情報を管理するのが一般的でした。しかしIT技術の発達に伴い、管理の対象となる機器が増大したことから、運用にかかるコストや工数が増大してきているのが現状です。そこでデータセンターインフラ管理(DCIM)を導入し、データセンター内のインフラを統合的に管理しようと試みる企業が増えてきています。

データセンターインフラ管理(DCIM)の機能

データセンターインフラ管理(DCIM)には、一般的に以下の機能が搭載されています。

  • センサー機器との連携機能
  • 電源や空調のモニタリング機能
  • レポートやグラフの作成・表示機能
  • 異常検知・アラート機能

データセンターインフラ管理(DCIM)を利用することで、蓄電池や電源のパフォーマンスを随時確認したり、機器に異常が発生した際にアラートで通知したりすることが可能です。

データセンターインフラ管理(DCIM)における成熟度レベル

調査会社の451 Research社によると、データセンターインフラ管理(DCIM)を管理活動として見たときに、以下5つの成熟度レベルに分けられるといいます。

  • レベル1:ハードウェアによる機器の個別監視
  • レベル2:ソフトウェアによる機器の統合監視
  • レベル3:データセンター資産全般の統合運用管理
  • レベル4:外部ツールとの連携による全体最適化
  • レベル5:データセンター管理の自動最適化

レベル5が最終的に目指すべき姿となりますが、現状、レベル3までの製品を提供するベンダーがほとんどです。以下では、レベル1~3までの各詳細を解説いたします。

レベル1:ハードウェアによる機器の個別監視

データセンターインフラ管理(DCIM)のレベル1は、電源の稼働状況や温度・湿度などを計測できるセンサーをラックやデバイスに取り付け、個別監視が行われている状態を指します。収集したデータは、エクセルなどの表計算ソフトを用いて集計するのが一般的です。レベル1の個別監視を実現するには、専用のセンサーを購入し、各機器へ取り付けることで可能です。ただし、個別監視のままだと管理が煩雑になってしまうので、将来的にはレベル2以上を目指す必要があります。そのためには、ソフトウェアとの連携を見据えた、機能や拡張性が十分にあるかを確認しておくことが重要です。

レベル2:ソフトウェアによる機器の統合監視

レベル2は、単にセンサーを機器に取り付けるだけでなく、それらの情報を一元管理できるソフトウェアを利用している状態です。専用のシステムを用いることで、各センサーから計測したデータを収集し、ひとつの画面で情報をまとめて表示させられます。実際に製品を選定する際は、「オンプレミス型かクラウド型か」「センサーとの互換性はあるか」など、自社の目的に応じて検討することがポイントです。

レベル3:周辺資産も含めた統合運用管理

レベル3は、ラック周辺の機器だけでなく、空調設備や蓄電池といったその他の資産や、配線の接続状況までを一元的に管理している状態です。従来のエクセルをはじめとしたツールを利用する必要はなく、ひとつのソフトウェア上ですべての監視・管理が完結します。レベル2まではセンサー機器の監視がメインでしたが、レベル3においてはデータセンターにかかわるあらゆる資産を統合運用できるようになるのが大きな特徴です。

データセンターインフラ管理(DCIM)の市場規模

株式会社グローバルインフォメーションが実施した『データセンターインフラ管理 (DCIM) の世界市場・COVID-19の影響 (~2026年):コンポーネント・用途 (アセット管理・電力モニタリング・容量管理)・展開モデル・データセンタータイプ・産業・地域別』の調査によると、データセンターインフラ管理(DCIM)の市場規模は、2021年で18億米ドルに達し、2026年には32億米ドルに達すると予測しています。
近年、市場が拡大している要因として、ITインフラの可視化に対する需要が高まってきたり、AI活用をはじめとした次世代のシステムが登場してきたりしていることが挙げられます。
特に、新型コロナウイルス感染症が流行した2020~2021年は、リモート環境での機器管理を可能にするため、クラウド型のデータセンターインフラ管理(DCIM)を導入する企業が急増しました。今後も、世界や日本において、データセンター管理のシステム化に取り組む企業が増えると予想できます。

データセンターインフラ管理(DCIM)の導入メリット

データセンターインフラ管理(DCIM)の導入メリット

データセンターインフラ管理(DCIM)を導入することに、どのようなメリットがあるのでしょうか?以下で、2点解説いたします。

データベースや台帳の管理を効率化できる

データセンターインフラ管理(DCIM)を導入することで、社内に散在していたデータベースや台帳を一つに集約し、効率的に管理できるようになります。従来は、部門や部署ごとにデータベースや台帳を用意し、各々で必要な情報だけを管理するのが一般的でした。しかし、社内で同じ種類の台帳が重複して作成されたり、現物や台帳間との情報が一致しなかったりする問題が多々発生していたのです。そこでデータセンターインフラ管理(DCIM)を導入すれば、データセンターに関するあらゆる情報をひとつの箇所へ集約し、部門・部署間で共通認識を持ってプロジェクトを進められるようになります。

業務を標準化できる

データセンターインフラ管理(DCIM)を利用すれば、業務の運用フローを全社で統一させ、属人化の解消に役立てられます。特にデータセンターの運用業務は、サービス・アプリケーション開発といった上位レイヤーの業務と比べると、割けるリソースが少なくなりがちです。結果として、特定の担当者へ依存する形になってしまい、非効率やミスに気づきにくくなるという問題が発生します。
仮にその業務につきっきりだった担当者が休職・離職してしまうと、最悪の場合、運用業務がストップしてしまう可能性もあるのです。
データセンターインフラ管理(DCIM)を導入していれば、運用の仕組みやルールがひとつのシステムで統合管理されるため、業務のブラックボックス化を防げます。ベンダーが提供する製品は、データセンターの運用業務に特化した機能・操作性を有しているので、使い方を覚えれば簡単に操作することが可能です。

データセンターインフラ管理(DCIM)の導入を検討してみよう

この記事では、データセンターインフラ管理(DCIM)の概要や機能、活用メリットを中心に解説いたしました。近年は、データセンターの大規模化・複雑化が進み、管理すべき項目が非常に多くなっているため、専用のシステムを導入する企業が増えてきています。実際に導入を検討する際は、データセンターの管理(成熟度)レベルに合わせて段階的に導入していくことが重要です。

ぜひこの記事を参考に、自社のデータセンター運用の効率化を目指してみてください。

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