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データセンター事業者の選定で重要な「立地場所」の検討方法

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数あるデータセンター事業者の中から自社に合ったサービスを選定する上で、特に重視すべきが「立地場所」です。企業のサーバーは常時稼働している必要がありますが、ひとたび自然災害やテロなどが発生してデータセンター拠点に被害が及ぶと、システム停止のリスクが高まってしまいます。

そこでこの記事では、データセンターの選定において特に重要な「立地場所」に着目して、どのような基準で選べばいいのかについて解説いたします。

データセンターの立地場所は国内・海外のどちらを選定すべき?


データセンターの立地場所は、まず「国内」と「海外」の2つに分けて検討する必要があります。以下では、複数の観点から、どちらの方が優れているのかを比較して解説いたします。

費用面:海外データセンターの方が安い傾向にある

データセンターの維持・管理費の面を比較すると、国内よりも海外の方が安くなる傾向にあります。具体的には、以下のようなコスト内訳と、海外における優位性があります。

  • 人件費:特にアジア圏において人件費を抑えられる
  • 電力コスト:乾燥地帯や寒冷地帯であれば、電力をほとんど使用しなくて済む
  • 機器コスト:サーバー、CPU、ラックを国内よりも安く提供する業者がある
  • その他:海外での税制優遇制度を活用できるケースがある

国内データセンターは、土地の取得費用が比較的高いほか、自然災害に備えて耐震・免震工事を別途で行う必要があるなど、拠点の構築にあたって費用がかかります。そのため、トータルで見たときのサービス提供料金が、海外よりも高くなる傾向にあるのです。

自然災害面:海外データセンターの方が低リスク
日本は、言わずと知れた地震大国です。加えて、土砂災害や豪雨といった自然災害も局所で発生するため、災害時のリスクは海外と比べて比較的高いと言わざるを得ないでしょう。

その点、自然災害が起こりにくい海外拠点へデータセンターを設置すれば、国内での自然災害による被害を回避できます。もし海外で災害が発生したとしても、国内も合わせた複数拠点で分散化しておけば、データの完全な消失は防げるでしょう。

ただし、一部において日本よりも自然災害リスク高いといわれる国もあるので、その地域の環境をよく調べてみることをおすすめします。

治安面:国内データセンターの方が良好

治安面で国内と海外を比較すると、国内拠点の方が良好であることがほとんどです。なぜかというと、日本は世界の中でも有数の低犯罪率を誇る国であり、暴動や略奪、強盗といった事件の発生件数が少ないからです。

例えば、治安の悪い海外地域へデータセンターを設置した際に、以下のようなリスクが想定できます。

  • テロ
  • クーデター
  • 地域紛争
  • 暴動

特に中東やアフリカの一部地域は、治安面での不安が大きく、テロや暴動などにより建物が損傷したり破壊されたりするリスクが高まります。

セキュリティ面:国内データセンターの方が安心

セキュリティ面においては、総合的に見れば国内データセンターに歩があるといってもよいでしょう。国内企業は主に、顧客との信頼関係を維持するために以下のような対策を施しています。

  • カメラを使った24時間体制の有人監視
  • 生体認証やICカード等を用いた入退室管理
  • 警備員の常駐
  • 火災予兆検知システムの配備
  • バックアップ発電機の設置

日本の製品は「安全・安心・高品質」と言われるように、セキュリティの面でも安心して任せやすいと考える方が多いのではないでしょうか?もちろん、海外のデータセンターであっても、日本と同等、もしくはそれ以上のセキュリティ対策を施している事業者も存在します。

コミュニケーション面:国内データセンターの方が安心

コミュニケーション面で見れば、国内データセンターの方が圧倒的に優位性があります。日本語サポートに対応していることはもちろん、日本独自の商習慣や文化を用いてやり取りができるからです。

例えば、障害発生などの緊急トラブルが生じた際に、日本語以外でのやり取りが必要になると、ミスコミュニケーションが生じて復旧に時間を要する場面が出てくることもあります。また、システムの稼働現状を目視で確認したいときに、飛行機を使い時間をかけて移動しなければなりません。

もし海外のデータセンターを検討するのであれば、日本語サポートに対応しているか、そうでなければ英語に対応しているかどうかを確かめてみましょう。

電力供給面:国内データセンターの方が安定していることが多い

海外のデータセンターは、電力や水道、ガスといったインフラが十分に整備されていない地域に立地しているケースもあります。とりわけ電力は、データセンターの稼働を左右する重要な要素で、ひとたび停止してしまうと事業停止のリスクが高まるでしょう。

もちろん、欧米などの先進諸国では、日本と同様に安定した電力供給が期待できる場所もあります。もし海外拠点を検討するのであれば、インフラの整備状況も忘れずにチェックしてみてください。

国内データセンターの立地場所を選定するポイント

自社がデータセンターを初めて検討する際は、まず国内拠点から考えるケースが多いと思います。そこで以下では、国内データセンターの立地場所を選定する際に着目すべきポイントを2つ解説いたします。

交通の利便性は良好か

最初に、自社の拠点と検討先のデータセンターの距離が近いかどうかを確認しましょう。なぜかというと、トラブルやシステム更改が発生した際に、担当者を現地へ派遣しなければならない場面が出てくるからです。

これは主に、サーバーの格納スペースのみを借りて自社で運用を行う「ハウジングサービス」を利用する際に重要になります。対して、サーバーやネットワーク機器を借りて運用する「ホスティングサービス」であれば、データセンター事業者へ運用管理を任せられるケースが多いので、近さに関してはそれほど重視しなくても良いかもしれません。

自社がコスト削減やセキュリティ向上のためにデータセンターを導入したのにも関わらず、重なる出張で費用がかさんだり、トラブル対応で遅延したりする事態が発生しないよう、交通の利便性は忘れずに確認しておきましょう。

自然災害に耐えられる場所か

日本は特に、地震や豪雨といった自然災害が発生しやすい国です。場所によっては、近い将来に地震が来ると予想されているところや、土砂災害が発生しやすいところがあるので、それらを回避できるような立地を選定するのがポイントです。

具体的には、以下の点を確認してみましょう。

  • 地震に強い地盤か
  • 津波が来ないよう、海から離れた場所に立地しているか
  • 川や湖の氾濫の心配はないか
  • 土砂災害の心配はないか

ただし、少し立地が悪い場所であったとしても、建物に耐震・免震構造を採用していたり、停電に備えて無停電電源装置や非常用発電機を完備していたりすることがほとんどです。災害対策の観点でデータセンターを比較する際は、立地条件に加えて、企業独自でどのような対策を施しているのかも確認しておくことが重要です。

なお、災害対策という観点で見れば、自社の拠点とデータセンター間の距離を離した方がリスク分散につながります。前述した交通の利便性と相反してしまいますが、できるなら同じ関東圏内・関西圏内など、ほどよく離れつつも数時間でアクセスできるような立地場所がおすすめです。

自社にとって都合のよい場所に立地するデータセンターを探そう

この記事では、データセンターの立地場所の選び方を、国内・海外別、国内での選定基準に分けて解説いたしました。総合的に比較すると、コスト面を重視するのであれば海外、セキュリティや治安といった安全面を重視するのであれば国内がおすすめです。また、国内事業者を選ぶ際は、「交通の利便性」や「自然災害への備え」に着目して選定しましょう。ぜひこの記事を参考にして、自社の条件に合った立地場所のデータセンターを探してみてください。

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